アシュアランス、アドバイザリー、税務およびトランザクションの分野の世界的なプロフェッショナル・ファーム「EY(アーンスト・アンド・ヤング)」。その日本におけるメンバーファームの総称が「EY Japan」です。公認会計士やコンサルタント、税理士、弁護士など約8,000名のプロフェッショナルから構成され、複数の法人がそれぞれ独立し、相互に連携しながらサービスを提供しています。

 

EY Japan2013年から『東京レインボープライド』に協賛し、ブースやフロートの出展などを行っています。その中心となって活動しているのが、社内のLGBTとアライ(支援者)のネットワーク「Unity(ユニティ)」です。

TRP2017では、EY Japanとして本格的にブースを出展し、LGBTの学生や若者への応援ビデオメッセージを収録する企画を実施しました。それを元に作成したのがこちらの動画です。
●「It gets better: EY Japan "Be yourself" ~自分らしくいよう~」

 

TRP2018ではブースに加え、初めてフロートも出展しました。
TRP2018を終えた5月下旬、Unityの代表でレズビアン当事者でもある川村安紗子さんと、ストレートアライである副代表の小林みわさんにお話を聞きました。

左/川村 安紗子さん(EY Japan LGBTAネットワークUnity代表)
右/小林 みわさん(EY Japan LGBTAネットワークUnity副代表)

ーー初めてのフロート出展は、いかがでしたか?

小林:限られた時間で仕事の合間に行うボランティア活動なので、頻繁に集まることが難しいなど、当初考えていたよりは苦労しました。限られた時間と予算の中で、アイデアを出し合いながら、いかに魅力的なフロートを作ろうかとメンバーで知恵を絞りました。当日でき上ったフロートを見て、よくここまでできたなと感動しました。

川村:いわゆる「選挙カー」を借りることにして、ブランディングカラーのひとつである黄色を基調に装飾をしていきました。

小林:EY Japanは去年まではLGBT Financeの一員としてパレードに参加しており、パレードに参加できる人数に制限がありました。その結果、パレードへの参加を希望するEY Japanメンバーが100人近くいたにも関わらず、全員で参加することができませんでした。今年はサポートを希望する全員が参加できるようEY Japan単独でフロートを出展しました。

パレード参加者の募集を開始した当初は業務の繁忙期ということもあり、思うように応募が増えませんでしたが、掲示や声掛けによる周知活動を繰り返すことにより、最終的には多くのEY Japanの構成メンバーが集まりました。応募してくれた本人と、リクエストに応じてその同伴者にも黄色いTシャツやLGBTへのサポート示すUnityアライピンバッジを配布するなど、パレード前から一体感を醸成するような企画を加えていたことも応募者増の要因になったのではないかと思います。

川村:その甲斐あって、当日は200人近い参加者とともにパレードすることができました。

200人が参加したEY Japanファミリー全員集合で記念撮影。

黄色いTシャツがフロートに一体感を生み出す。

ーーEY Japanのフロートで歩いた方々の反応はいかがでしたか?

小林:「人数が多くて、圧倒された」「渋谷の街を歩くことができて良かった」というコメントに加え、「EYのフロートが一番可愛かった」という自画自賛の声もありました(笑)。コメントの大半がとてもポジティブな内容でした。

川村: EY Japanのマネジメントチームも積極的に家族や子どもを連れて参加しました。これによりEY Japan全体でLGBTをサポートしているということが従業員にも伝わる、とても良い機会になったのと思います。

エグゼクティブの方々も参加。

ーーブースでは、どんな企画を実施したのですか?

川村:「あなたの声を届けよう!」と題して、ブースを訪れてくださった方々に、5つの質問から好きなものを1つ選んでもらい、その質問への回答をカラーの短冊に書いてもらいました。

■5つの質問
①カミングアウトした時にどんな言葉をかけられるとうれしい?
LGBT+として快適と感じる職場は?
LGBT+として安心して働ける職場づくりに必要なものは?
④アライとして普段どんな活動をしている?
⑤フリーメッセージ(思いの丈をどうぞ!)

★回答
①から④の中では、①への回答が一番多く、
「教えてくれてありがとう」
「(アウトした後も変わらず)愛しているよ、応援するよ」
といった回答がありました。
⑤を選んだ人が一番多く、
「世界のすべての人が幸せ・平和になりますように(楽しく過ごせるように)」
「いつでも自分らしくいられるように」
といった内容の回答が多かったそうです。

回答を書いてもらった短冊は、こんなふうにブースに飾る。

 

EY Japan の「LGBTAネットワークUnity」は、東京レインボープライドへの協賛・出展のほかにも、さまざまな活動をしています。これらの活動を通じて、LGBTの認知度・理解の向上や当事者が集まれるコミュニティを目指しています。

例えば、年に一度、社内で開催される「D&I Week」では、「女性」「障がい者」等と並んで「LGBT」をテーマとするセッションを企画しています。また、不定期で「ランチ会」を開催したり、3か月に1度のペースで、LGBT関連のニュースやイベント情報、インタビューなどを掲載する社内ニュースレターを配信なども行っています。

5月17日の「IDAHOT(International Day Against Homophobia, Transphobia and Biphobia)/国際反ホモフォビアの日」(注)には、有志のメンバーが紫色のアイテムを身につけて集まり、LGBTへの支援を表明しています。

[注]1990年5月17日に世界保健機関(WHO)が、同性愛を国際疾病分類(ICD)から除外したことを記念して定められた国際デー。

2018年5月17日。紫色のアイテムを身についた有志のメンバーが集まって写真を撮影し、SNSでも拡散。LGBTへのフォビア(嫌悪)に対抗しようというメッセージを表明する。

 

EY Japanは、構成メンバーの一人一人の能力を最大限に引き出し、魅力ある職場づくりを通じて優秀な人材を確保して、高い成果を上げるチームを作ることが大切だと考え、その前提となるD&Iへの取り組みについて表明しています。

ダイバーシティとは「違い」のこと。インクルーシブネスとは、これらの「違い」をうまく活用すること。性別・性的指向・性自認・国籍・文化などを異にする多様な人材を受け入れ、一人一人の能力を最大限に発揮できる環境の構築を目指しています。特に、「ジェンダー(性差)」「マルチカルチャー」「障がい者」そして「LGBT」をD&Iの取り組みの重点領域と位置付けています。

 

EY Japan
EYの日本におけるメンバーファームの総称です。EY新日本有限責任監査法人、EY税理士法人、EYトランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社などから構成されています。なお、各メンバーファームは法的に独立した法人です。
https://www.eyjapan.jp