■マーケティングの視点から
渡邊:どうやったら会社側を説得できるのか、どういう効果があるのか。そのあたりについてお話しさせていただきます。まず「Outforce」という「Equalityグループ」のメンバーたちの熱い気持ちに、マーケティング本部は動かされました。やはり、こういう社会的な課題に対して、きちんとコンテンツ化して、可視化して、世の中に出していくことをしっかりと進めていかなければいけない。マーケティング本部としては、そこに使命を感じました。そして、一般的に見れば、弊社なんて小さな会社ですが、今回はTRPという日本最大のLGBTQのプラットフォームをお借りして、そこで我々が今、実際に取り組んでいることをきちんと発信することに力を注ぎました。
『TRP2019』には総勢延べ約20万人の来場者があって、約11,000人の方がパレードに参加しました。これだけたくさんの方々と、弊社が一緒に肩を並べて、TRPに参加したということを誇りに思っています。先ほど、昨年の参加者は38名と言っていましたが、今年は、厳密には214名の方がパレードを一緒に歩きました。前年に比べてかなり増加し、この中には弊社の小出伸一社長をはじめ、7名の役員も参加しました。
上記のようなブースを出展し、2日間で約3,800人の方が立ち寄ってくださいました。ブースでは、弊社の製品のことは一切扱うことはしないで、我々の「Equality=平等」の取り組みの紹介や、LGBTQコミュニティの方に寄り添うコンテンツを実施しました。
京都を拠点に活動している「花結い師」のTAKAYAさんに当日の会場にお越しいただき、「LGBTQコミュニティに花を添える」との意味を込め、実際に、ブース来場者の方々を対象に「花結い」をやっていただきました。とても好評で、みなさんに楽しんでいただけるブースになったと思います。とはいえ、ブースの制作はとても大変でした。USの「Equalityグループ」の本部チームや東京の「Outforce」のメンバーと、どんなコンテンツにしたらいいのか、すごく悩みました。でも、そういうコミュニケーションを通じて、私自身、LGBTQコミュニティのナレッジが深まったりもして、こういうことを社内で一緒にプランニングし、実施するという過程がとても大切だと思いました。
メディア露出についてですが、普段お付き合いがあるのは、主にIT系の専門メディアなのですが、今回『TRP2019』に協賛し、ブース出展したことで、ハフポストやジャパンタイムズ、インターFMなど、感度の高い、一般メディアとの接点ができ、さまざまな形で記事を露出していただいたことは、非常に良かったと思っています。また、協賛プランのメニューにもあるとおりに、フェスティバルの会場や紙媒体などで、弊社のロゴを掲出することができました。まだまだ知られていない弊社のロゴを、「あの変なロゴ、なんだろう」と目に留めてもらえただけでも効果があったと思っています。そして、これがいちばん大切だと思っているのですが、今回、TRPに参加した社員は214名と、まだまだ全然少ないのですが、それでもこのように団結して、みんながワイワイ楽しく、コンテンツを一緒に作ることができたことは、本当に有意義でした。『TRP2020』に向けて、この輪をさらに広げていければと思っています。
最後に、2019年上半期の私たちの活動のハイライト動画がありますので、それを見ていただいて締めさせていだたきます。
●『未来は変えられる、私たちのビジネスから〜Salesforce Japan 2019年上半期ハイライト〜』
文・構成/山縣真矢
1999年3月にアメリカ・サンフランシスコで設立された顧客関係管理(CRM)ソリューションを中心としたクラウドコンピューティング・サービスを提供する企業。日本法人である株式会社セールスフォース・ドットコムは2000年4月に設立された。
●公式サイト:https://www.salesforce.com/jp/