コミュニティカフェ&バー発
「故郷を帰れる街に」
青森レインボーパレード〜地方都市からの挑戦

 取材・文/生島 嗣(「NPO法人ぷれいす東京」代表)

今年も6月30日(日)に『青森レインボーパレード』が開催されました。人口28万人の青森市で、2014年に3人でスタートしたこのイベント。今回で6回目を数え、参加者は200人を超えました。とても素晴らしい雰囲気に包まれた本イベントを、みなさんにお伝えしたいと思います。

2014年4月26日にコミュニティカフェ&バー「Osora ni Niji wo Kake Mashita」(通称:そらにじ)が青森駅前にオープンしました。運営するのは宇佐美翔子さんと岡田実穂さんのカップル。このパレードに集う人たちを引き寄せているその中心に、二人が運営するカフェが紡ぎ出した人の繋がりがあります。だから「そらにじ」の二人が呼びかけるパレードは、ふんわりと温かい。東京レインボープライドにも何度か飲食ブースを出店して、筋子のおにぎり、地酒、アップルジュースなどを販売していたので、記憶している人も多いでしょう。

「青森レインボーパレード」は、2014年に3人でスタートし、15年は24人、16年は45人、17年は101人、18年は173人、6回目となる今回は208人が参加しました。そして開催に際し、10の自治体からお祝いのメッセージが寄せられました。外ヶ浜町長、今別町長、五所川原市長、平内町長、十和田市長、弘前市長、八戸市長、むつ市長、おいらせ町長、青森県知事からでした。県内政党からは、国民民主党、日本共産党、立憲民主党、社会民主党、公明党の各政党からメッセージが寄せられました。こう見てみると、とても順調に成長してきたようにみえます。

しかし、前年の第5回パレードのフィナーレで、主催者からは、まさかの宣言が飛び出しました。
「青森レインボーパレードは第5回で解散します。でも、青森のパレードを残したい、やりたいという人がいたら、全てを渡します。私たちは、また違うことを始めようと思います」と岡田実穂さんが語ったのです。その年の8月の市議会議員選挙への出馬を念頭においた発言でした。ちなみに選挙の結果は、27票足りずに惜敗でした。

パレードの先頭を歩くツッキーさん(左)と宇佐美翔子さん。

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