『東京レインボープライド(TRP2020』開催に向け、協賛企業向けの説明会が104日(金)に開催されました。この説明会では、『TRP2020』の開催概要や協賛メニュー等の説明と合わせて、『TRP2019』にご出展いただいた企業3社の担当者に、社内での取り組みなどについて発表していただきました。とても有意義で示唆に富む内容でありましたので、3回に分けてリポートしたいと思います。まず第1弾は、日本たばこ産業株式会社です。
日本たばこ産業株式会社 東京支社 社会環境推進担当 鯉江憲吾さん

入社10年目の37歳。2018年4月に発足したイベントプロモーション部門に所属し、TRPの担当となる。ally(アライ:LGBTの当事者ではないが、LGBTの味方や仲間として行動する人)の立場で、社内のLGBT理解を推進している。

■これまでの反省を踏まえた3つの取り組み

 日本たばこ産業株式会社(JT)は、2016年からTRPに参加しています。1回目、2回目はブース出展のみで、主管部署は本社の多様化推進室でした。LGBTの理解促進も担当する部署ですね。3年目となる2018年に、私が所属している東京支社リレーション推進5チームに主管が変わり、ブース出展とともに販売行為も行い、喫煙所でのプロモーションもさせていただきました。私は2018年4月にこの部署に着任し、TRP2018ではスタッフとして参加しました。本日のテーマは「JTはどう変わったのか」なのですが、実は「変わらなければならなかった」というのが本当のところなんです。では、どうして変わらなければならなかったのか。

 『TRP2018』のあと、JTのお客様相談センターにLGBT当事者の方から、JTブースに対する感想が届いたんです。少し表現は変えていますが、それは以下のような内容でした。

JTのブースに行って、とても悲しい気持ちになりました。商品の宣伝はスラスラ言えるのに、LGBT支援の取り組みについては知りませんと…。LGBT支援というのは名ばかりなのかと疑念を持たざるを得ません。性的マイノリティの誇りを祝福するイベントで、「LGBTを支援している」と題している企業とその社員によって、悲しい気持ちと疑念に苛まれたことはとても残念でした。

 

 なかなかストレートな表現ですよね。一人の社員としてすごく悲しく思いました。その一方で、このご意見をいただいたことから、多様化に関する弊社の課題が見えてきました。まず、TRPへの参加がプロモーション目的になっていること。そして、実はJTは多様化の取り組みは割と進んでいる企業として、制度上も整っているし、社外からの評判も良いのですが、その社外評価と実情とにギャップがあること。この2つの問題が浮き彫りになりました。

 この2つの問題の原因について考えてみました。

 まず、社内において、TRPへの参加の目的がきちんと理解されていなかった。そもそもTRPって何を目指していて、参加企業にどんなことが期待されていたのか。このことを理解していなかった。そして、多様化はだれのために行うべきなのかという動機付けが弱かった。さらに社内を見渡してみると、当事者の姿が顕在化していない、また、アライも少ない。恥ずかしながら、これがJTの実情だったんです。

 この『TRP2018』の反省を踏まえ、『TRP2019』へ向け、以下のような目標を立てました。

 社内のアライ濃度を高め、『TRP2019』のブースでLGBTQ支援に対する賛同の思いを体現する。

 そして、この目標に向け、3つの取り組みを行いました。

 1つ目。「LGBT勉強会」によって、社内のLGBTに関する理解促進を図ること。2つ目。TRPのプライドフェスティバル2Daysのところで、JTLGBT支援への賛同を示せるブースを展開すること。3つ目。その取り組みを社内で共有し、アライの輪を広げていくこと。私たちは東京支社という部署の人間ですので、いきなりJTのアライ濃度を高めましょう、というのはできないんです。やってみようとしましたが無理でした。組織ってそういうものですね。なので、まず東京支社で好事例を作ることができれば、それを社内で共有することはできるのではないか。そう考えました。

 これから一つ一つの取り組みについて、お話しします。
 

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