テ 映画とかは結構観ますか?
李 チェックして、おもしろそうだなって映画は観てます。でも、最近、見返しているのがNeftlixのドラマで、『センス8』。知らない?
テ うん、知らない。
李 え、コレは見ないといけない(笑)。『センス8』は、SFだけれども、その中に当たり前のようにトランスジェンダーとかレズビアン、ゲイの人たちが出てくる。何か特別なものとして描かれてなくて、といってもそれぞれの生きづらさから決して逃げず、セクシュアル・マイノリティの人たちじゃなくても、それぞれの生きづらさとかそれぞれの人生を抱えていて、それと向き合いながらSF的な問題に向き合うという。
テ それは、見ないと!
李 それと、Netflixだと『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』というわりと有名な作品。最近長すぎてだるくなってきたんだけど。2016年の『第25回レインボー・リール東京』でも、ブースを借りてモニターを何台も置き、宣伝映像を流して大々的に広報していました。
テ 『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』は、まだ続いてるんだ。『レインボー・リール東京』には毎年、行かれてるよね。
李 うん。今年も行った。
テ 今年は何が良かったですか?
李 まずは『クィア・ジャパン』。
テ あー。見てないなー。
山 良かったよー。また上映してほしいね。今は海外のいろんな映画祭とか回ってて、日本での配給先を探している状況みたい。
テ アップリンクあたりが配給してくれれば……。
李 そう、とても良くできているし、LGBTのことだけではなくて、100本を超えるインタビューを敢行してつくった、と。フィクションだと、韓国の『花咲く季節が来るまで』が良かった。レズビアンの話だけども、それだけじゃなくて。
テ ちょっと小説から離れるんですけど、自分が今、小説で書いていることを、別の表現方法ができたら、何かやってみたいとかありますか? 漫画を書くとか、映画を撮るとか、絵を描くとか。
李 ないですね。小学生の頃から絵心がなくて、まず絵は描けない。今は映像の時代だけれども、自分が実際に映像の制作に関わることは考えられない。小説を映像化しないかという話が来たら、喜んで受けるけど、今のところそんな話はない。
テ 楽しそうなのに。
李 難しいでしょうね、この2冊。
テ え、そうかな、中華料理屋ぐらいじゃない? 難しいの。
李 そもそも、国をまたがって撮らないといけないという時点で難しいと思うよ。ちゃんとどちらの言語も扱える人が演技しないといけないし。
テ 結構いると思うけどね。私が好きな映画『焼肉ドラゴン』に出ていた桜庭ななみさんとか。バイリンガル女優みたいな、そういうふうな活躍をしたいって言っている人もいるから、大丈夫!
李 うん、でもそれなりの資金も必要だし、難しいと思うけど。
テ 『独り舞』よりは……『独り舞』はいろんなところに行くから。
李 『独り舞』はねえ、難しいよね。かといって『五つ数えれば三日月が』はドラマ性みたいなのがなくて、そこはどうなのかな。
テ おいしそうなごはんとか、美しい景色とか、台湾の伝統的なものとか、お祈りの場面などは、映像で見られたら面白いだろうなって思うよ。
山 テレビドラマとかなら、可能性があるんじゃないかな。『弟の夫』や『女子的生活』、『きのう何食べた?』や『おっさんずラブ』など、最近、LGBTQをテーマにしたテレビドラマがいろいろ制作されているし。