妻のベネッサは娘と英語で話し、私は娘と日本語で話します。私とベネッサは英語だったり日本語だったりですが、ルー大柴風の話し方は避けています。つまり、できるだけ単語レベルでも英語と日本語を混ぜない話し方です。娘のように多言語を小さいころから習得するメリットはありますが、その一方でのデメリットは、いろいろな言語を混ぜて使ってしまったり、いわゆる「第一言語」がない、そんなリスクをはらんでいます。オランダに住んでいるからには、やはりオランダ語をしっかり話せるようになってほしいとは思うものの、これからどうなることやら。

とはいえ、娘にとっては、妻とは英語、私とは日本語、幼稚園では主にオランダ語を話す生活が「普通」。これ以外を知らないから(笑)。昨年日本に一時帰国した際に、娘は驚いていました。「お母さん、みんな日本語、話せるね」。日本に来たのだから当たり前だけど、私の「普通」は、娘にとっては「普通」には思えなかったようです。公園で出会うお友達に一生懸命日本語で話しかけて一緒に遊ぼうとする姿に、成長を感じました(親バカ、許して)。

言葉以外にも、娘は敏感にオランダとの違いを感じたようです。公園の砂場で遊んでいると、シャベルやバケツを持っているお友達がいます。娘が「か~し~て」と言うと、たいていの子供がすんなり貸してくれるか、親御さんが「ほら、貸してあげなさい」と子供に促します。この「すんなりさ」に、娘は「みんな貸してくれるね」と言いました。そう、オランダではこうは行きません。「か~し~て」「やだ」。このやり取りを、しばらく子供同士でやらせます。どちらかが泣きそうになるまで交渉が決裂した場合、おもちゃの持ち主の親が登場。「うちの子が遊んで、それが終わったらいいわよ」。3歳には厳しい言葉。もちろん貸してほしい子は「びぇ~ん」と泣くわけですが、その子の親も「お友達がいいよ、って言うまで待つのよ」。このサイクルに慣れている娘には、日本の公園はパラダイス。みんなとても優しい! オランダの子供や親御さんが「優しくない」わけではありません。自分の子供が遊んでいるのに、無理にそれを止めさせて、他の子におもちゃをあげる必要はない。納得。

自転車に乗れるようになりました。

1 2 3
< >

バックナンバー