みなさん、こんにちは。やってきました、久々の日本。食べ物はおいしいし、街にはゴミが落ちていないし、電車は数分に1本やってくる。ああ便利。長女はお肉屋さんのコロッケに感動、コンビニの品揃えに驚愕。毎日楽しく過ごしました。

今回の日本滞在では、LGBTQI+当事者のみなさんにお話をさせていただいたり、あるいは、対話をさせていただく貴重な機会が何度かありました。また、レズビアンカップルの子供として、長女を幼稚園に預けさせていただくこともありました。そのような中で私が感じた「変化」についてお話しさせていただきます。

国立科学博物館で、大好きな「まつぼっくり」を楽しむ長女。

今回の滞在は5週間という短い期間でしたが、その間に長女は幼稚園に通うという貴重な体験をしました。制服、集団行動、挨拶など、彼女にとってはすべてが新しく、とても思い出深い体験になったようです。幼稚園に通いだす前に、園長先生と面談をする機会がありました。オランダでもそうしているように、家族の話が出れば、きっと「うちはママとお母さんがいる」と言うであろう娘のこともあって、園長先生にはこう切り出しました。

「園長先生、うちは同性カップルで、娘は私のことをお母さんと呼びます。ママ、と呼ぶ人は私の妻なんです。アメリカ人なんですが」
園長先生が私を見つめて、言いました。

「お母さん、ちょっとお聞きしたいことがあるんですけど……」
私は、この後に続く言葉がどんなものなのか想像がつかず、身構えてしまいました。
「なんでしょうか……」
「実は私……」
「はい……」
「英語がしゃべれないんです」
と、園長先生。

そこ!?(笑)

「ママ、日本語できますかね」
「はい、しゃべれますよ」
「あー、よかった(笑)」

そのあと園長先生は、「もうね、今の時代はいろんな家族がいらっしゃいますから。お母さんとママがいる、それだけでいいんですよね? 特別扱いとか、そういうことじゃなくて」。
「そうそう、そうなんです。それだけなんです」

よく聞くと、娘のクラスには中国人やフィリピン人のママがいたり、アメリカ人やイスラエル人の子供たちがいたり、多文化なクラス構成でした。そんな中、オランダから来たレズビアンのカップルに、園長先生は驚きもしませんでした。「日本も変わりつつある」と、そんなふうに感じました。それだけではなく、娘のクラスの親御さんたちも、私たちのことを話すと、いい意味で「あー、そうなんですねー」くらいの感じでした。幼稚園が終わったあとも近所の公園や児童館で一緒に遊ばせてもらいました。

今回、娘は幼稚園に1か月ほど通っただけでした。通りすがりの国際結婚レズビアンカップルが子供を預けただけ。それだけで、「日本も変わりつつある」と言うことは無理がある。ただ、私が感じた空気、雰囲気は心地よいものでした。娘もそれを感じたのか、幼稚園でのびのび遊び、学び、思い出を作って帰国することができました。親としては、私の出身地である日本で楽しい思い出を作れたことが何よりも嬉しかったです。

上野動物園で白熊に大興奮。パンダは50分待ちであきらめる。

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