この連載を読んでくださっている方たちの中には、これから社会人になるLGBTQの方たちや、現在社会に出て働いている方々が、いらっしゃるかと思います。私がインタビューをしたフランス出身の人は、「フランス人は仮面をかぶるというか、職場は職場、プライベートはプライベートと割り切っているから、フランスでは職場でカミングアウトする必要は感じなかった」と言いました。「だけど、アムステルダムに来て、今の会社に入社してから周囲にLGBTQの仲間がいることで、意識が変わった。これから自分はカミングアウトできない職場で働くことはもうできない」ときっぱり、力強く私に思いを語ってくれました。日本もどちらかと言うと「職場は職場」と割り切る文化ではないかな? と思いますが、みなさんはどう感じられますか? 業種、社風、同僚との関係性、社員の平均年齢などさまざまな要因がLGBTQフレンドリーな職場かどうかを左右することと思います。

最近は日本のメディアでもLGBTQが多く取り上げられていると聞きます。この動きが一過性のものではなく、人権問題として取り上げられ、日本に住むLGBTQのみなさんを取り巻く環境が少しずつでも良いものになることを願います。私が日本に住んでいたころのレインボーパレード(2005年とかかな?)に友人と参加した時は、本当に小規模で、「ちょっと特異な人たちがよく分からないがマーチしている」といった目で見られていましたが、ここ数年かなり大規模なイベントに進化していますね。私が参加していた時には想像もできなかったことです。それも、LGBTQの諸先輩方や同志が勇気をもって行動してくれた賜物だと思います。私も、微力ながらそのムーブメントに貢献したいなと思うこの頃です。

最近、家族写真を撮りに行ったのですが、子供は協力してくれませんでした。

■金 由梨
東京都台東区出身。2009年にエラスムス大学大学院留学のためオランダに移住。
2010年に同性パートナーとワシントンDC(アメリカ)で結婚。現在アムステルダム在住。アムステルダム自由大学大学院にてHRマネージメントを勉強している。3歳になる娘と、5月に出産したばかりの第二子と、二人の子育てに奮闘中! 
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