選択的夫婦別姓

オランダで結婚したカップルは(男女、とは限らず、男性と男性、女性と女性ももちろんある)、3つの選択肢があります。
(1) どちらかの姓に統一する。
(2) 結婚前の姓を維持する。
(3) 二人の姓をハイフンで結び、複合姓とする。

私の姓は金 (Kim) で、妻の姓は Defend です。ちなみに子供たちは妻の苗字を名乗っています。日本では民法の規定で「選択的夫婦別姓」を認めていないので、いずれかの姓に統一する必要があります(日本人が外国人と結婚する場合は例外)。多くの場合は女性が男性の姓を名乗ることになります。「彼の苗字を名乗れてて幸せ」という方は良いですが、そうでない方には不都合極まりないシステム。免許証、パスポート、クレジットカード、銀行口座などなど……、身元を証明する様々な書類の名前変更。ああ大変。オランダ人はそのあたりとても合理的ですから、「変えたい人は変えればよし、変えたくなければ変えなくてよし、つなぎたければつないでちょうだい」といったところでしょうか。私の友人のオランダ人でも、多くは結婚後も結婚前の姓を名乗っています。一人の友人は、こう言いました。「だって別れたらどうするの?」ああ、オランダ人、合理的。そもそも「結婚」というシステムそのものにも超積極的ではないオランダ人もいて、パートナーシップ制度(同性同士でも、異性同士でも)があるので、結婚しなくても家も一緒に買うし、子供も作る。オランダはそういうところです。あとは、結婚によって姓が変わると、それまで築いてきたキャリアにも影響しますしね。子供の姓が親と同じじゃないことや、家族が姓を一つにしないことに対して「一体感がないのでは」と言う人もいるようです。個人的には、そもそも姓が一緒ってだけで家族の一体感なんて生まれるの? と疑問に思います。一体感なんて、年月かけて信頼のもとに築いていくものでは? というわけで、我が家は私と子供の苗字は違いますが、うちはそれでいい。考えたら、むしろ、別姓を認めていない日本のほうが少数派かも。

選択的夫婦別朝食。

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