みなさん、こんにちは。この8月3日(土)に、『プライド・アムステルダム』の「運河パレード(Canal Parade)」が開催されました。前回ふれた通り、今年は日本から、「プライドハウス東京(Pride House Tokyo)」の船が参加しました。日本からの船の参加は、これが初めてとなります。わずかながらオランダ側でサポートさせていただいたご縁で、私も妻と一緒に乗船させていただくことになりました。これまで運河パレードには見物人として何度も参加したことはありましたが、船に乗るのは初めてで、今回はその体験についてお話ししたいと思います。
『プライド・アムステルダム』は毎年約50万人の見物客が集まる、ヨーロッパでも最大級の「プライド」であり、おそらく最も有名な「プライド」の一つではないかと思います。その最大の特徴が、運河パレード! 船に乗って運河を行くオランダならではのパレードのスタイルです。また、アムステルダムという観光名所としても有名な都市であること、そして何より、世界に先駆けて同性結婚を法制化したオランダの首都アムステルダムという、LGBTQI+にとっても心踊る場所であること、そんなことがあいまって、たくさんの観客を魅了する世界有数の「プライド」として人気が高いのだと思います。
アムステルダムでは、運河パレードの1週間ほど前から、プライド・ウィークが始まり、数々のイベントやパーティーが開催されます。街中にレインボーの旗が飾られ、LGBTQI+やアライ(Ally:LGBTQI+当事者の方たちを理解・サポートする人)と思われる観光客の数もぐっと増えます。運河パレード当日、乗船前に街を歩いたところ、老若男女、世界のさまざまな国からパレードの見物に来ているLGBTQI+の方々をたくさん見かけました。女性同士、男性同士、クィアな方たち、誇らしげに手をつないでレインボーの旗を持ったり、レインボーをあしらった衣装で街を歩いていたり。
私が「PRIDE HOUSE TOKYO JAPAN 2020」 とプリントされたTシャツを着ていたためか、年配のアメリカ人の女性カップルに声をかけられました。「あなた、日本から来たの?」。私にはアメリカ人の妻がいて、娘が二人いること、アムステルダムに住んで8年になることを伝えると、「私たちがあなたぐらいの年には、まったく考えられなかったことだけれど、今あなたたちがそういう暮らしができることをとても嬉しく思うわ」とおっしゃってくれました。実際、私も今の暮らしを20代の時に想像することはできませんでした。街を歩いていると、10代前半? と思われるような若い人たちもレインボーフラッグを片手に街の散策を楽しんでいました。どこの国であれ、LGBTQI+の人たちがおかれた環境は決して楽ではないと思います。しかし、この日ばかりは、街中の人たちが一つになって、とにかく「楽しむ!!」ことを目的にパレードに参加します。